この記事を書いた人:葵@五号
もしもあなたが児童ポルノと知らずに18歳未満の画像や動画をダウンロードしてしまったら……。児童ポルノ規制法により「単純所持」と見なされ、逮捕されてしまうのでしょうか?
結論から言うと、スマホやPCの中にデータが残っていなければ罪に問われる事はありません。
このページでは、アダルトサイトの閲覧時に気になる「児童ポルノ」の定義や規制の対象となるメディア、DLしてしまった場合の対処法について説明しています。
目次
児童ポルノの正確な定義は「18歳未満」
まず、「児童」として定義付けられている年齢範囲は「18歳未満」です。
この「18歳未満」の子供の姿を対象として、「視覚により認識することができる方法により描写した写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物」についてを「児童ポルノ」と定義しています。
「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(児童買春・児童ポルノ処罰法)」には次のように記されています。
1. 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態(1号)
2. 他人が児童の性器等(性器、肛門又は乳首)を触る行為又は児童が他人の性器等(性器、肛門又は乳首)を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの(2号)
3. 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの(3号)
これを簡単に言い換えると、
- 児童が性交・性交類似行為(フェラなど)をしている
- 児童の性器を誰かが触ったり、児童が自分や誰かの性器を触ったりしている
- 全裸または半裸の姿が写っている(性的な部分が露出・強調されている)
上記の内容に当てはまるような写真(画像)や動画であればNG!ということになります。
児童ポルノの規制対象は「写真(画像)と動画」
実際に規制の対象となる表現形式は「写真(画像)」や「動画」です。
これらのデータなどを製造・提供(配布)・所持していると、刑法(児童ポルノ単純所持罪)によって処罰の対象となります。
二次元は児童ポルノの規制対象外
漫画やアニメでも、ロリは比較的多いカテゴリの一つです。
あからさまな表現も多いので、一見するとヤバいような気がしてしまいますが、結論から言えば今のところセーフ(規制対象外)です。
「現実の児童を守るための法律」ということなので、架空の人物・創作である二次元漫画やアニメは対象外となっています。
ただし、漫画・アニメが「検討の対象」になっているため、今後はどうなるかわかりません。
「単純所持」をしていれば違法
アダルトサイトを巡回していて心配になるのは、児童ポルノの単純所持についてではないでしょうか。
一度でもロリ動画を購入したことがある、たまたま見かけた少女の画像を保存したことがある等の経験(所持・保管)があった場合に、違法となってしまうのか否か?ということなんですが……。
厳密に言うと「所持」というのは「自己の事実上の支配下に置くこと」で、「保管」というのは「有体物(写真、DVD・ハードディスク(記録媒体)など)の所持に相当する行為であり、自己の実力支配内に置いておくこと」を指します。
つまり……
- 現物(形)としてあるもの(DVD・写真)
- データとしてHDD内に保存してあるもの(画像・動画)
これらがいつでも閲覧できる状態にあるならば、「単純所持」に該当するので違法となります。
その場合には、直ちに破棄、またはPC・スマホからデータ削除することをお勧めします。
ファイルがゴミ箱に残っていては意味がありませんので、きちんとゴミ箱を空にして削除するようにしましょう。
児童ポルノを購入した場合の対処法
過去に児童ポルノを購入したことがあっても、処分して今現在所持していなければ問題ありません。
しかし、購入履歴から住所氏名が特定され、警察から家宅捜索を受ける可能性は否定できません。
万が一、家宅捜索を受けてしまった場合でも、児童ポルノの可能性があるもの全てを破棄しているならば問題ありません。
家宅捜索で何も出てこなければ、処罰を受けることにはならないでしょう。
困ったときは迷わず弁護士に相談を
やましい事がなくても、誰でも突然警察から連絡を受ける可能性はあります。
そうした場合には決してあわてず、安易に罪を認めるような発言はせずに、まずは落ち着いて弁護士に相談しましょう。
ネットには無料で弁護士に相談できる弁護士ドットコムのようなサイトもありますし、国が設立した法テラスでは全国の法律相談所への案内をしています。
また、もし相談先を調べるような余裕がない(いきなり逮捕されちゃったり)ときは、警察に「当番弁護士を呼んでください」と伝えましょう。当番弁護士は無料で呼ぶことができ、取り調べの際のアドバイスや逮捕後の流れの説明をしてくれます。
参考 無料で簡単に呼べる当番弁護士は逮捕で困った被疑者の味方|刑事事件弁護士ナビ